スタイリッシュで上質な知的3ドアHB
キャラクターはコンパクトプレミアムか
アウディA3は、上質なテイストが満喫できるモデルだ。とくに現行A3の初期型に当たる3ドアモデルは、知的なフォルムが再評価されている。
現在、A3はスポーツバック(5ドア)専用だが、オリジナルデザインは初期型の3ドア。A3の場合、3ドアといってもクーペと呼ぶにふさわしい気品を持っている。ぐっと傾斜したA&Cピラーと低めのルーフラインが織りなすフォルムはスポーティで、キャラクター的には知性派クーペと呼べる。全長4215oのコンパクトサイズは取り回し性抜群で、内外装の入念な作り込みは、目の肥えたユーザーさえも魅了する。A3は上級車から乗り換えても高い満足感が味わえる。
3ドアのA3には、2.0FSI(2リットル直噴/150ps搭載)を中心に、上級仕様の3.2クワトロ(3.2リットル・V6/250ps搭載)と1.6アトラクション(1.6リットル/102ps搭載)が設定されていた。最も走りのバランスに優れているのが2.0FSIである。とくに、17インチのタイヤ&ホイールと専用サスペンション、スポーツシートなどを装備した2.0FSIスポーツの小気味いい走りは格別。軽快に吹き上がる150psの直噴エンジンと引き締まった足回りのマッチングは上々だ。街中はもちろん、高速道路やワインディングでもスポーティな印象を持続する。優秀な燃費も魅力である。
室内も広い。A3は後席の居住性が十分で、ファミリーユースにも最適だ。後席を倒せば広いラゲッジスペースが確保できる。2010年は賢く経済的にクルマと付き合うことがトレンドだが、そんな流れにA3はぴったりだ。高年式モデルだけに信頼性が高く、安全装備が万全な点もうれしい。